その昔、一般的な呼び名「歯槽膿漏(しそうのうろう)」と呼ばれていたお口の病気が「歯周病(ししゅうびょう」です。
▲歯周病の進行の仕方
この病気は虫歯と違い、歯自体に症状や痛みはなく、歯を支える顎の骨を溶かし、グラグラになり、歯が抜け落ちてしまうという感染症です。
初期の自覚症状がほとんど感じられないため、また、大変深刻な病気という認知が一般的に低いため、受診が遅れた場合には、やむを得ず抜歯になることも多くあります。
歯石除去(スケーリング・SRP)
▲歯石除去
歯周病の一般的な治療方法が、この歯石除去です。スケーリングやSRPとも呼ばれる治療方法で、歯科医師、または歯科衛生士が、歯周病原因菌の住み家となっている歯石を丁寧に取り除いていきます。
歯みがきを怠ったり、磨き残したりして歯垢(しこう)が残ると、その歯垢が数日で歯石に変化します。一度こびり付いた歯石は、普段の歯磨きなどで自分自身で取ることができませんし、歯ぐきの中や歯周ポケットと呼ばれる溝にまで入り込みますので、必ず歯科医院で取り除く必要があります。
歯周病は国民の成人約8割がかかっていると言われています。以前は“治らない病気”とも言われていましたが、現在では早期に治療を行なえば進行を遅らせたり止めたり、治癒することも可能になりました。
全身疾患と歯周病
近頃、全身疾患と歯周病の関連性が解明されてきています。歯周病を改善することによって、糖尿病や内臓疾患、水虫などの皮膚疾患が軽快するとの報告があります。
まず口の中をきれいにすることによって、健康を取り戻す第一歩になることも考えられます。
妊婦さんの歯周病
妊娠中の歯周病については、妊婦さんの歯科治療内で解説しております。